ESSC

Extremely Short Story Competition

Extremely Short Story Competition (ESSC)とは

Extremely Short Story(ESS)とは、英語で作成する、文字どおり、極めて短いお話です。極めて短いとは、具体的には英単語50語分の長さです。50語以内や50語程度ではなく、本文が50語ぴったりでなければいけないというルールがあります。自分の思いを書き述べるという自由な作業と、50語に収めなければならないという制限された作業を同時におこなうことによってのために、作者は工夫を凝らしながら、独創的な英作文を書くことができます。

Extremely Short Story Competition の誕生

ESSはアラブ首長国連邦で生まれました。ザイード大学のピーター・ハッサル先生が考案し、2004年、学生を対象としてコンテストを開始しました。きっかけは、意見や気持ちを自由にことばで表現することが難しかったイスラムの女性たちに、英語で自由な思いを語る機会を与えたい、この活動を通じて英語を学び、使ってほしい、そして優秀な作品を表彰することにより作者の努力に敬意を表したいという思いでした。このコンテストは Extremely Short Story Competition (ESSC) と呼ばれ、参加者を増やしていきました。

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ハッサル先生は、ESSCを次のように説明しています。

The Extremely Short Story Competition
All you need to do is write anything you want to write about. You can write fiction (stories), non-fiction (facts) or even things that are “nuss u nuss.” Use the Word Count on your computer to check. Remember the title and author’s name are extra. There are 50 words here.

日本における Extremely Short Story Competitionの歴史

アラブ首長国連邦でESSCが始まってほどなく、当時、日本「アジア英語」学会会長だった本協会の本名信行氏がこのコンテストを日本に紹介しました。英語を使う機会が少ない日本の英語学習者・既修者が書くことを通じて、英語を使い、学び、ほかの作品を読んで学びあうということの意義に共感した JAFAEの会員が、日本版ESSCを開始し、2006年度より2012年度まで、ESSCが国際的に開催されました。

同氏も50語で皆さんにESSCの参加をよびかけています。

Calls for Extremely Short Stories
In writing an Extremely Short Story, all you have to do is to say what you think and what you feel in whatever English you have at command. You will be surprised how imaginative and creative you can be in this endeavor. You are working on your “new” you. Congratulations!

次は大学生の作品です

Because of you
My voice does not mean anything. My thoughts do not mean anything. Nobody cares about me. But you, you treat me as something special. Because of you I can smile. Because of you I can feel safe and protected. Everything is because of you. Mom I’m here because of you.

この事例が示すように、学生たちはかなり楽しみながら英語を使い、自分の気持ちや考えを表明するものです。彼らは、自分のこと、身のまわりのことを書きながら、日本語ではいえないことが英語ではいえるということを発見します。これは英語が自分のもうひとつのことばであるという気づきにつながります。この作品を書いた学生は、ESSを書いたおかげで、自分と母親の関係について考え、ことばで表現するに表すことができたと述べていました。日本語では、とても気恥ずかしくて、このようなことはいえなかったそうです。英語を使いこなす経験を積み重ねれば、日本語でも同じことがいえるようになるとも思われます。ひとつの1言語でいえることが、もうひとつのことばでいえないはずはないのです。皆さんもどんどん書いてください。必ず書けますから。

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Extremely Short Story の魅力

50語の英作文を書くことにはいくつかのメリットがあります。

  1. 50語という短さゆえに、気負うことなく、手軽に取り組むことができます。
  2. 使うべき単語の指定、英訳するべき日本語の提示、模範とすべきモデル文の提示がまったくないので、自然な環境で自由度の高い英語ラ イティングの機会をもつことができます。
  3. 書く内容を熟慮し、表現を工夫しながら書き進め、50語ぴったりになるように、工夫と調整を重ねて作品を完成させる作業は、極めて創 造的な学習です。
  4. 1日に一編、月に30編、つまり一か月1500語の英作文を書き続ければ、英語を書く習慣がつき、英語を書くことが徐々に苦痛でなくなる のを実感できます。